今回は実際の例を用いながらセミナー(勉強会)について取り上げます。目の前に見込み度の高い参加者に対して、ほぼ一方的にトークができるセミナー(勉強会)という手法はコロナ禍においても、あらゆる業界で重視されています。むしろ開催数も参加者数も増えています。そして、営業プロセスにおいて機能しているセミナー(勉強会)には基本的な型があるという内容です。
今回、自宅が塗装時期ということもあって、ある外壁塗装セミナーを視聴しました。
<流れ>
不具合事例
・点検、診断もれの事例
・サイディング割れ(シロアリ被害)
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塗装の目的の共有(家を保護することが最重要目的)
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塗料の種類、特徴の説明(ウレタン、シリコン、フッ素、無機)
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メンテナンスコスト比較(トータルコストで考える)
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依頼する会社の特徴(ハウスメーカー、大手リフォーム会社、訪問販売系など)
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信頼できる会社のチェックポイント(診断の違い、足場の違い、養生シートの状況)
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点検のポイント(屋根、外壁、床下)
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セミナー参加者特典の説明(屋根診断など)
一方、戸建・性能向上リノベーションの場合、新規客を狙ったセミナー集客は難しい印象ですが、初回面談の次にランクアップ目的でセミナー誘導するかたちを取り入れている例は多いです。
<流れ>
①夏暑い、冬寒い、一つひとつの部屋が狭く暮らしづらい、片付かない、地震が心配
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②お金の話(ローン、メンテナンスコスト)
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③断熱性能向上による健康効果、省エネ効果(ヒートショック、様々な症状の緩和データ、サーモグラフィ)
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④断熱材(断熱材の劣化状況の画像)
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⑤断熱性能向上リノベーションの例(数値、室温、光熱費の変化)
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⑥耐震リノベーションの必要性、地震の事例(熊本の画像など活用)
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⑦耐震リノベーション、補強事例(数値、動的診断など)
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⑧収納(工事前の画像)
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⑨収納の考え方(スペースを確保、動線、魅せる)
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⑩自然素材の考え方(県産材、国産材、珪藻土)
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⑪事前審査、燃費診断、耐震診断など次のステップ誘導
<まとめ>
能楽に「序破急」という伝統的な概念があり、「序(テーマ、事実の提示)→破(期待、興奮)→急(結末)」という3部構成になっているそうです。
高額品の場合も、興味を持ってセミナー参加しているわけですから、「共感、同調(悩み)→価値提供(理想の家、暮らしへ)→次アポ(クロージング)」という流れは「序破急」に通じるものがあると改めて感じます。
セミナー(勉強会)は新築では浸透していますが、リフォーム・戸建、性能向上リノベーション業界では仕組み化されていないケースも多いです。Bランク客のランクアップ、リフォーム客から性能向上をともなったリノベーション客へのランクアップにも有効ですので、ぜひご検討ください。