コロナチャンスを活かす会社とは

「迂(う)」を以て「直」と為し、「患(かん)」を以て「利」と為す。

 「孫子の兵法」では、あえて人(他社)が選ばないまわり道を選んで、早く目的地に付ける方法を考えるべきだと述べています。同時に、不利なことを有利なことに変えること、つまり「ピンチをチャンスに変えよう」と言っています。「難しいがだからこそ差がつく、ピンチから生まれたチャンスは想像以上に価値がある」と紀元前500年の時代から、軍事思想として語り継がれていることに驚きを覚えます。

 5年ほど支援させていただいている北関東エリアのS社さんは、この先2年分の着工分を持ち新たな年を迎えます。広告宣伝費ゼロで、今年の見学会は全9回すべて予約枠が埋まるかたちで推移しています。コロナ前に比べて、より盤石になったと実感しています。取り組んできた商品力(性能)の強化に時代が追いついてきたという背景もありますが、WEBリニューアルをはじめ、オンラインにおける仕組み改善の効果も大きいです。このような例は1社2社ではありません。

 「中小企業白書(2021年対応版)」には、デジタル化推進による業績影響の調査結果(N=4307社)があり、デジタル化を増やしている企業のうち74.4%がプラス影響を及ぼしたと回答しています(そのうち「大きくプラス影響を及ぼした」=14.5%)。また同書には、トライアンドエラーが許容される組織風土ほど売上回復する割合が高いこともデータに出ています(許容度がない会社に比べて、ある会社は1.7倍の割合で売上回復 N=4,459社)。K字経済、2極化、あるいは3極化と言われている中、こうしたリサーチ結果も「挑戦の数が成功確率を高める」ことを裏付け、示唆を与えてくれていると感じます。

 戦争(競争)のかたちは時代とともに変わります。「これからの時代は厳しい」と認識されている方はもちろん、私自身も「孫子の兵法」を紐解きながら、強くしなやかに生きるヒントにしていけたらと思います。

この記事を書いた人

コダリノ