既存店舗(常設型)とリノベモデルハウス(売却型)の存在意義

・存在意義を言語化し、明確→発信に活かす

 リノベーション事業に参入する際に、売却型のリノベーションのモデルハウスを開設するケースが増えてきています。一方でモデルハウスが部分最適にとどまり、事業化に向けてモデルハウスが機能していないケースも散見されます。主な理由は2つあり、モデルハウス自体の存在意義が明確でないこと、次にその存在意義にフィットした地域への発信ができていない、または、発信量として足りてないことがあげられます。

・モデルハウスの存在意義とは

 事業化の一つの要素としてモデルハウスが機能しているケースでは、今更言うまでもませんが、モデルハウスを業績向上のトップラインである集客起点という位置づけにし、セオリーに沿った販促を徹底しています。即効性がある集客起点であることを前提に、設定するターゲット層に合った「リアル体感」を訴求すること。即効性を期待するからこそ、オープン時のジャンプスタートを想定した販促企画を立案し、実践しています。

・自社店舗(常設型)の存在意義とは

 次に、常設型の自社店舗の存在意義です。集客面では中長期的な効果、または次アポで活用する場という想定が考えられます。そもそも自社店舗はWEBだけでなく、立地が良ければ店頭看板でじわじわ認知させることができます。認知される接点が増えることで、地域での認知度が高まります。完成後を体感するモデルハウスとの補完という位置づけもあります。プロセスにこそ信頼の源泉があるという思いで施工中の情報量を増やし機能している例もあります。この場合のように、モデルハウスでリアル体感し、自社店舗でプロセスを学ぶという組み合わせはまさに相互に補完している関係と言えます。加えて、2つのステップで建物にファンがつくという要素が着実に増えてくれば、それは一つの仕組みとして機能していると言えます。さらに、前者はズバリのリノベ案件を集めるための「マーケティング」の装置であり、後者は世界観を伝え、イメージをつくるための「ブランディング」という考え方もできます。

・業績のステージごとの出店

 リノベーションのモデルハウスを開設し、突破口として機能し事業年商3億円を超え、さらに拡大を見込むというようなステージではもう1棟モデルハウスを開設するという案が浮上します。そして、5億円から7億円というステージに立ってから、組織面の課題解決と同時進行で常設型の自社店舗を旗艦店というかたちで出店するというケースもあります。このようにリノベ事業の年商ステージごとで的確な出店戦略を打ち出すことも業績拡大の可能性を高めます。

 以上、販促面に偏った論考になりましたが、出店を検討しているのでしたら、こうした存在意義や位置づけという前提を言語化し、まずは社内で共通認識を持つことが大切です。

(新建ハウジングDIGITALで上記に加筆したものを発信予定)

 

この記事を書いた人

コダリノ