難しい領域だからこそ、優位性の持続を実現

「リノベーションは手間がかかるから建て替えへ」

 かつて、全国紙でリフォーム平均受注単価日本1として取り上げられたこともある会社が、「建て替えかリノベーションか迷っている」という相談客に対して、一人の営業担当者の誘導によって、次々と建て替えという結論に至った時期がありました。会社としては建て替えも業績になるのでビジネスとしては成立しているのでしょうが、顧客視点でどうなのかという違和感が残ります。

 上記のようなケースは例外ではなく、「建て替えかリノベーションか迷っている」という相談に対して、多くのハウスメーカー、ビルダーがまだ建物を見ていない段階から、建て替えにナビゲートしている状況は総合展示場等で多く目にする光景です。

 一方、リノベーション事業部だったり、リノベーション専門会社だったり独立した組織で専属スタッフが担当される場合は、「家を残したい」という相談客に対して、当然ですがまずはリノベーションの可能性を探ります(構造や地盤の関係で、1割程度は建て替えになることもある)。

 私が関わらせていただいている、こうしたリノベーション事業部、リノベーション専門会社は、1年分の着工残、半年分の着工残を持って新たな期を迎えるケースが大半です(もちろん誰でもできることではなく、想定外の現場で即断即決できる建築リテラシーがあり、その上で生産性を向上させる取り組みも追求している会社です)。

 一つ言えることは他社が敬遠する難しい領域だからこそ、競争が少なく、優位性が持続している点です。

・強みがある

・その強みに希少性がある

・模倣しづらい

・オペレーションが複雑

 構造がからむ戸建リノベーション事業はこうした条件が揃う事業である点、改めて強調したいと思います。

 さらに、古民家再生、ハウスメーカーの家(2×4、鉄骨造等)のリノベーションといった領域も市場があり、同時に敬遠されがちで競争が少ないと言えます。仕組み化が簡単で再現性が高いビジネスモデルがブルーオーシャンである期間はごくわずかです。

 ぜひ、市場規模が大きい、敬遠されがちで競合が少ない戸建リノベーション事業に対して、自社資源が活かせるという方はチャレンジしていただきたいと考えています。私自身も難しいビジネス領域だからこそ、なおさら日々気を引き締めて、探究していきます。

※上記画像はご支援先が施工されたハウスメーカー(鉄骨造の建物)のリノベーション例

この記事を書いた人

コダリノ