戸建・性能向上リノベーション事業(最もシンプルなフレームワーク「3C」)

 3Cとは、顧客(Customer)、競合(Competitor)、自社(Company)という外部要因、内部要因両方を押さえた3つの観点から市場環境を分析したり、自社の成功要因や課題を見つけ戦略に活かしたりする最もシンプルなフレームワークの一つです。「市場規模が大きく、非競合で自社の経営資源に適合するビジネスに取り組むべき」という3条件も、3つの重なりと動きにこそ意味を持つこのフレームワークならではの考え方と言えるでしょう。

<3Cとは>

・顧客(市場)

人口動態、市場規模、顧客の志向、消費行動などマクロの視点、地域特性などミクロの視点

・競合

推定される実績、見学会・イベント開催状況(媒体、頻度)、競合の特徴(コンセプト、顧客像、性能レベル、価格帯など)

自社

参入タイミング(先駆者か後発か)、売上、戦略、自社の特徴(顧客像、コンセプト)、強み、弱み、自社のDNA、理念など

 特に競合に関しては、私も意識していることですが可能な限り「事実」「一次情報」「数字」を集めることが大切です。後発であれば、先行企業を把握し、いかに差別化するかという視点も重要です。

 以下は戸建・性能向上リノベーション事業を展開するあるご支援先の例です。

<市場>

・市内の核家族、単身世帯を除く世帯23%(全国平均9.7%)

・持ち家住宅延床面積全国7位

・県内の1950年以前の住宅約30,000棟

<競合>

・リフォーム会社が複数存在(大半が平均工事単価は70万円程度、対応範囲は工事単価1000万円程度まで)

・戸建リノベーションに対応する会社は存在するが専門会社は存在しない

・1社大手の拠点が隣接エリアに存在(基礎は補修、断熱情報量は限られる、営業会社的、デザイン・素材の優先順位は低い等)

<自社>

・1級建築士中心の組織(営業、設計、施工管理)

・リノベーション専門会社

・性能向上+デザインというコンセプトをあらゆる顧客接点で訴求

・複数ペルソナ設定(セカンドライフを見据えたシニア世代、実家二世帯リノベ、一次取得者の実家リノベ)、公務員、大手企業

・集客起点を開設

 以上のような3つの視点も意識しながら、今もなお、実行と検証を繰り返し進化されています。

 自社については、社長及び幹部、社員、複数の典型的なお客様、3方向のコンテンツワークにより、あぶり出していく手法もあります。

 「実家リノベーション」という概念についても7年ほど前、こうしたワークにより、私が気づき、提唱した顧客像の一つです。その後「実家リノベーション」をコアターゲットに設定する動きは今では全国に広がりました。業界で注目を集める先導的なリノベ-ション会社も実家リノベが全体の6割に及びます。

 このようにその後の方向性や打ち手を決める大きなヒントも得られることもあり、おすすめのフレームワークです。もちろん、新たに取り組む戸建・性能向上リノベ-ション事業やがてレッドオーシャンになった際に、新たにブルーオーシャンを探る手法としても有効です。

この記事を書いた人

コダリノ