戸建・性能向上リノベーション事業の7S(「建築リテラシー」というキーワードが持つ意味を考える)

 今回は戸建・性能向上リノベーション事業を7Sというフレームワークでまとめています。3つのハードな経営資源(戦略、組織構造、システム)と4つのソフトな経営資源(価値観、文化、能力、人材)に分けられます。

 日々の実務において、ハード面、ソフト面を完全に分けることは難しいのですが、ポイントは7つの要素すべてにおいて高い次元で有機的につながっているという点、さらに、価値観、文化、能力、人材といったソフト面の構築は人の依存度が高く、時間、エネルギーがかかるという点です。この点において、模倣困難性が高く、戸建・性能向上リノベーションのビジネスモデルを導入するにあたり、成果の分かれ目になるとも言えます。

 戸建・性能向上リノベーション事業参入において、どれか一つ、例えばモデルハウスやスタジオという集客装置を開設したからと言って、すべてがうまくいくわけではないのも、コンサルティングやビジネスモデル(またはフランチャイズパッケージ)導入により、変えやすい資源と変えにくい資源があり、ソフト面の依存度が高いビジネスならではの難しさがあります。

 事業に適合するソフト面が構築できていれば軌道に乗るスピードが早いですし、逆にともなっていなければ、全体観、全体設計という観点で7Sを総合的に融合させていくエネルギーを要します。

 かつて、この事業の成功ルールとして「集客起点+建築リテラシー」と述べた識者がいましたが、まさに「リテラシー」という言葉には、活用能力という意味があり、上記7Sが機能していることに通じる概念だと感じます。

 地域において、自社ならではの提供価値(真のプロダクトアウト)を追求する戸建・性能向上リノベーション専門店という希少性と上記7Sを客観的に判断し、課題に対して手を打っていくことも、持続的優位性を構築するカギになります。

この記事を書いた人

コダリノ