戸建リノベーション(性能向上リノベーション)事業の7P分析

 今回は、戸建リノベーション、性能向上リノベーション事業をどのような考え方で事業展開していくのか、集客や組織等社内体制も含め、7つの要素でとらえながらコンサルタントの視点で、ヒントを提供できればと思います。

・モデル企業の7P

 全国各地のモデル企業の仕組みを、商圏、価格、販促、施設(店舗)、人、商品、プロセスの7つの要素に分けて考えていきます。優れた施工品質、高いデザイン性があれば必ず業績が向上するとは限りません。適切な価格設定をしたり、顧客に認知されたりしなければ、せっかくの高い施工品質でも顧客の支持を集めることはできません。マーケティングに必須な要素をそろえ、組み合わせていくことが、業績向上につながります。それを7要素で考えていくのが7P分析です。

 戸建リノベーション(性能向上リノベーション)事業における7要素=「PLACE(商圏)※本来は流通」「PRICE(適正な価格、適正な粗利)」「PROMOTION(販促企画、媒体)」「 PHYSICAL EVIDENCE(リノベーションモデルハウス、施主宅見学の現場、店舗)」「PEOPLE(社員、職人)」「PRODUCT(性能向上、デザイン、素材)」「 PROCESS(営業フロー、工程)」

 下記に共通点や相違点を記載します。

・共通点

 モデル企業の共通点としては、商圏を見極め「整合性のある活動システムが構築されている」「独自の付加価値があり、差別化できている」「ビジネスモデルを支える人材教育に注力している」「理念が現場に浸透している」等があげられ、差別化集中戦略を取りながら、全体設計がうまく構築されています。また、一貫性のある複数の顧客接点により、安定集客を実現している点、営業、施工管理といった専属スタッフ(分業制)により、見込み案件に対して、組織力で対応し、高い施工品質を実現できています。

・相違点

 相違点としては、各社の強みの内容が異なる点があげられます。各社それぞれの理念があり、理念に基づいた自社ならではの商品力、付加価値となっています。また、軸となる集客ルート(お客様宅見学会、リノベーションモデルハウス、スタジオ)、手法、媒体(紙媒体、Web、SNS等)も異なります。

・さいごに

 リノベーションモデルハウスは「PHYSICAL EVIDENCE(物的証拠)」に該当します。まさに「性能向上を実証する」というコンセプトに通じるものがあります。ただし、上記の通り、7要素のうちの1つに過ぎないということを踏まえて、一貫性、整合性のある全体設計をつくっていくことが大切です。現場第一線で取り組む方々の正しい努力が全体最適につながり、事業として軌道に乗り、さらに高い次元で構築できれば模倣困難性により、長く競争優位を維持することができます。

この記事を書いた人

コダリノ